ドラクエの思い出(2) 人生初の挫折を味わったFC版「ドラクエ3」

投稿者: | 2012/01/07

 FC版「ドラクエ3」を買ったのは、おそらく1989年3月。発売直後ではない。今は存在しない平塚のハーフ&トップ(当時はハーフ&ハーフだったかも)で、父に頼み込んで買ってもらった。通っていたピアノ教室にあった「週刊少年ジャンプ」の紹介記事と、友人宅で、友人の兄がゾーマに戦いを挑むシーンを見て、楽しそうなゲームだなと思った。それがすべての始まりだった。

 ソフトとともに、Vジャンプ編集の攻略本を買い(後に公式攻略本も購入)、初めてプレイしたロールプレイングゲーム「ドラゴンクエストIII」。しかし、「装備する」という概念がわからず、しばらく素手で戦っていたため、全滅続きだった。結局、レベル9くらい、いざないの洞窟の壁の前であきらめた。パーティは、戦士・勇者・僧侶・魔法使い。それまで、「同級生より頭がいい」と思っていただけに、人生初めての屈辱、挫折感だった。自分の知識・理解力では、世の中、わからないこともある、そう知った。

 それから数年後。友人から借りたFC版「ドラクエ4」をクリアし、「ドラクエの作法」を習得した後、中学1年の秋頃に再び挑戦。しかし、以前のパーティーのままだったため、非常に弱く、ゴールドがなく、苦戦続きだった。レベルもなかなか上がらず、結局、イシスのピラミッド入り口であきらめた。ゲームより勉強に励むべきだと判断したからだ。FC版「ドラクエ4」は、迷うことなく、無事にクリアできた(ボス戦は全滅直前のギリギリの勝利だったが)だけに、残念だった。いつかクリアしてやる、と強く思い、ファミコン本体をテレビ台の奥にしまった。

 大学3年の時、SFC版の「ドラクエ3」をプレイする機会が訪れた。たまたま、といってもいい。非常にはまり、一気にバラモスに挑んだ。神竜にも挑戦し、修行し続け、レベル60ぐらいまで達したが、あのおなじみの不吉なメロディとともにセーブデータがすべて消え、ドラクエ3は記憶の中だけの存在となった。

 2011年9月、25周年記念のWiiソフト「ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III」を購入。中学以来、10数年ぶりにFC版ドラクエ2・3の画面を見た。ただただ、懐かしい。いつか絶対にクリアしてやるーその夢がまさか叶うとは!

 昔のトラウマ(HPが低くてすぐに死亡)から、キャラクター設定時、全体的に「HP高め」を選んだ。正直なところ、他のステータスは見ていなかった。序盤、子ども時代の思い出とはうって変わり、パーティー(武道家・勇者・僧侶・魔法使い)は比較的強かった。弱くて足でまといだったはずの魔法使い、僧侶のHPが高いのだ。逆に勇者は、まったくMPがない。ルーラを覚えた時点で、ルーラを唱えるだけのMPがないことには驚いた。FC版、SFC版ともに、ドラクエ3はキャラクター成長度のランダムの具合が高いようだ。

 旅立ちの地・故郷アリアハンから、レーベ、ロマリアまでは一直線。その後は非常に自由度が高く、一定のフラグさえ立てれば、好きなように進められる。オーブ集めも、一度、クリアした経験(記憶)があれば、まったく難しくない。

 現在、バラモス城まで到達している。自由度が一気に高まるダーマ神殿(船入手)以降は、捨てずに持ち続けていたFC版の公式攻略本を片手に世界をウロウロしながら、のんびりプレイしている。全体的に敵が強く、公認の裏技「防御攻撃」がなければ、Wii版でも全滅続きだっただろう。勇者のMPは低いまま、そのうち僧侶のMPも伸びなくなり、回復力の低いパーティになってしまった。

 改めてプレイしてみて、余りの自由度の高さと、続編と比べると密度の薄いストーリーに驚く。ドラクエI・IIを含め、初期の「ロト編」の高い評価は、当時、リアルタイムでプレイしたユーザーの「思い出補正」がかなりかかっていたと気づかされたが、ファミコン版独特のピコピコ音のメロディは、長時間聴き続けていても心地いい。制約の少ない自由度の高さこそが、何回でもプレイしたくなる、名作たる所以だろう。

 「ドラクエ3」の高い評価は、インターネット普及後、一人旅、制限プレイ、バグを活用した短時間プレイなど、さまざまな「楽しみ方」が広まった点にもある。「そして、伝説へ」。サブタイトルが、そのままこのゲームの価値を示している。今後、100年、200年経っても、日本語による文化が存続する限り、「ドラクエ」ロト3部作は、国産RPG(JRPG)の初期の名作として語り継がれるだろう。特に最終作の「3」は、1980年代、バブル景気に沸いた日本の成長ぶりを示す奇跡の1本と断言したい。

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