コードギアス7つの功罪

投稿者: | 2008/09/24

■mixiより転記

 午前中にフライング購入者の感想を見ていて急に欲しくなり、午後、ラスカの山野楽器で「コードギアス 反逆のルルーシュR2 O.S.T.2」を購入。掲示板情報によると、昨日午後には秋葉原の一部ショップでは、売られていたそうだ。平塚でCDを購入したのは、おそらく高校3年の時以来。定価だけれど、父が入院している病院に向かう往復の車のなかで聴くためには仕方がない。とはいえ、昼間の幹線道路はうるさく、集中して聴けなかったが。

 サントラには、1期でおなじみの曲も少し含まれていた。掲示板の指摘を見て気付いたが、2期で最近、頻繁に流れている印象的な曲が入っていない。もう1枚あとから出るのか、著作権の関係で出版できないのか、それとも…。
 
 今月9月28日に最終回を迎える「コードギアス 反逆のルルーシュ」が起こした「奇跡」の功罪は、今後10年間のいわゆるオタク系コンテンツ業界の話題になるだろう。ポイントは下記の7つだ。

1. 全国放送ではない深夜アニメながらヒットを飛ばしたこと(1期)

2. ヒットを受け、全日帯全国ネット放送に格上げされたが、視聴率的に苦戦したこと。BD・DVD、関連CDの売り上げも、現時点では1期より劣っていること(2期)

3. 数字を客観的に見ると「失敗作品」となるが、ブログで話題の言葉をリサーチする「kizasi.jp」や「Yahoo!検索ランキング」などを見ると、今期のアニメ作品のなかではダントツに多く、人気キャラクターランキングもルルーシュの独走だった。
→アニメ誌の主要読者層、ブログユーザーの支持は得ていた。特に「kizasi.jp」では、日曜夜から月曜日にかけてのランキングには、毎週のように関連ワードが入っており、マスコミが持ち上げる「篤姫」よりも話題になっていたといえる。=テレビ視聴率と話題性の乖離

■ネットでは低調だった総裁選 新総理には「麻生よりも小沢」を推す声も強く(記事半ば)

4. 次回につなげる強烈なヒキ、物語上の空所の多用

5. 3つの顔を持ち、受け取り方にとって正義にも悪にもなる多面的な「ルルーシュ」というキャラクター

6. 風刺に満ちた「ブリタニア」と植民地「エリア11」の関係、「合衆国日本」のネーミング

7. 手描きアニメーションの可能性と限界

 1~3は、主に商業面での評価。ドラマCDや声優ラジオ、テレビCMなど、旧来のプロモーションは結果的に余り効果がなかった。大きかったのは、1期の冬休み期間中の一挙無料配信とだろう。私がこの作品にハマった決定的な要因だ。ただそれも、2期は逆にDVD販売の足を引っ張る要因になっているように思える。この辺のさじ加減は非常に難しい。

 4~6は、内容面での評価。小説やマンガでしかなしえなかった表現を、劇場作品以外では作家性を出すことが難しい、集団作業の「TVアニメ」に持ち込んだことを評価したい。なんといっても愛すべきヘタレ革命家・ルルーシュの行動と感情のブレ、舞台設定が面白い。また、制作者側は意図的に「学生」の側面を強調し続けた。そこには何か理由があるはず。

 1期、特に前半に対する評価は高く、対して、2期は総じて低いようだ。私も正直なところ、もっと細かくキャラクター同士のやり取りや下準備を描いて欲しいと、物足りなく思う。ただ、それらは想像で補うことができる。物語を楽しむとは、そういうことだ。ただ、物事の起承転結を知りたいだけなら、フィクションではなく、ドキュメンタリー番組を見ればいい。

 そのほか、血染めのユフィ、100万人のゼロ、違和感のない敵味方の入れ替わりなど、衝撃的な展開は枚挙にいとまがない。さすがに地形と事前の仕込みを生かした戦闘は、2期にはマンネリ感が出てきたけれど、手描きを主体にする以上、経費削減の意味を含め、地形戦法と少数精鋭の小競り合いが限界なのだろう。今後、ロボットアニメの戦闘は3DCGが主体になるのは間違いない。

 個人的にこの作品の最大の功罪になりそうだと思うのが、「歴史の針を戻す愚を犯さない」としてゼロによって建国が宣言された「合衆国日本」というネーミング。今後、日本語と検索エンジンが存在し続ける限り、日本を「合衆国」化しようと議題に挙がるたび、昔のアニメと同じ名前だからまずい、と問題になるだろう。結末によってはうやむやになりそうだが、ルルーシュがある時期まで合衆国日本に賭けていたのは間違いない。

 良くも悪くも挑戦的な意欲作だった。これが最終的に「神作」といわれ、後世に残る作品になるかどうかは結末次第。これまで漏れてきた話から、自分の想像通りにならないと諦めつつ、楽しみにしている。