格差の前段階として、「分断」が進んでいる

2013年7月7日09:45 | 社会批評| 個別URL

 理不尽な母親に悩み、ずっと”生まれ”と”運”に左右される「格差」が問題だと思ってきた。しかし、最近、”生まれ”と、触れてきた教育・文化・教養・人間関係の差による日本人同士の「分断」のほうが致命的な問題だと思うようになってきた。同じ市内ですら、学区が違うとまるで違う街。同じ学区でも、電車通勤・車通勤のフルタイム正社員と自転車通勤の非正規雇用者では、生活のリズムや街に対する評価がまるで違う。

 一口に非正規といっても、正社員になれずに妥協して勤務している若年層、夢を叶えるための自己研鑚や学業の合間に働くアルバイト層、家計の足しや小遣い増額のために働くパート主婦層では、求める水準が異なる。残念ながら、子どもを産むなら正社員に限る。少子化の要因の一つは、きちんと産休・育休を取得できる企業に勤務する正社員か実績のあるフリーランスしか安心して産めない現状の社会保障制度にあるだろう。一刻も早く改善して欲しい。

 本題に戻ろう。今の日本は、主に収入と文化資本の差と、運に左右される「格差社会」になりつつあり、その根底に「分断」がある。スマートフォンの普及は、ソーシャルメディアの普及とリンクしていると当初から感じていた。ソーシャルメディア側の信頼性の高い調査データがなかったため、仕事で書いた記事ではあまり触れてこなかったが、Twitterでは、繰り返しツイートしてきた。

 従来型の携帯電話、通称「ガラケー」は、この3年の間に、急ピッチでスマートフォンに置き換わりつつある。2010年4月に発売されたAndroid搭載スマートフォン「Xperia」が売れ、spモード対応後、さらに売上を伸ばした。iモードのアドレスがそのまま使えれば、スマートフォンでも受け入れられるとわかり、ドコモとKDDI(au)は、スマートフォンメインのラインアップに舵を切った。auは、その後、新規ユーザーの獲得のため、iPhone主体に切り替えたため、牽引役はドコモになった。今や、Android搭載スマートフォンのほとんどは、防水やワンセグ、おサイフケータイに対応し、ほとんどガラケーの発展形といってもいい。
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現金を抱え込む高齢者

2013年6月1日09:50 | つぶやき| 個別URL

 一人っ子のため、父が亡くなった時、相続人は母と自分の2人だった。法定相続分は2分の1ずつだ。しかし、不動産・預貯金・自動車・固定電話回線など、父名義の資産は母がすべて相続した。母は、預貯金等はすべて自分のものと主張し、父名義の不動産(自宅)の権利を共有にする場合は、固定資産税を半分払えと言った。その時、なぜ、実家を売却したと仮定し、その想定売却額の半分を相続分としてもらう、という案を思いつかなかったのか。私は、正当な相続の権利を自ら放棄してしまった。

 家購入にあたり、できれば住宅ローンは組みたくなかった。母親に「住宅取得等資金の贈与税の特例」を利用した生前贈与を頼んだが、「今の資産は夫婦2人で貯めたもの。生前贈与するくらいなら、すべて使いきって死ぬ。残っていたらラッキーとでも思いなさい。あなたたちの世代は、年金が支給されるかどうかわからないから、自分たちの分は自分たちで貯めなさい」と断られた。インターネットのQ&Aサイトに書き込むと、親の遺産をアテにするくらいなら家など買うな、と批判された。生前贈与しない代わりに、子どもをアテにしない親の心構えはむしろ褒めるべき、との意見もあった。

 一見、母の言い分は、まっとうに見える。しかし、母の手持ちの資産のほとんどは、会社員だった父が労働の対価として得た給与・賞与・退職金と、国から支給された年金を貯めたもの。母は結婚以来、専業主婦を決め込み、短期間のパート以外、金銭労働を行っていない。結婚するまでは、正社員・アルバイトとして働き、厚生年金保険料を支払っていたため、60歳以降、自分名義の厚生年金も受け取っているが、金額は少ない。老後資金は、夫婦2人で貯めたわけではなく、父が1人で稼いだものだ。母は適宜、利率の高い定期預金に預け替え、いくらか金額を増やしたに過ぎない。
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住宅ローンは住居費の前借り、資金計画さえ間違わなければ問題ない

2013年5月6日09:14 | つぶやき, 社会批評| 個別URL

 この個人ブログの更新を休止していた間に引っ越した。余りにも露骨な新築・持ち家優遇の国の政策や、旧態依然の不動産業界の慣習などに対し、いろいろ思うところがあり、折にふれてTwitterでつぶやいてきた。一度、きちんと文章にまとめたいと思っているが、完全に住所が特定されてしまうため、躊躇している。

 以前から、新聞や雑誌には、家計簿(年間/月間の収支)をもとに、アドバイザー(FP)が診断するという記事が時々掲載されていた。新聞・雑誌記事をWebに転載するケースが増え、インターネット上でも頻繁にみかけるようになってきた。また、新築マンション情報誌「スーモ」では、巻頭特集として、世帯人数・年収・物件価格(物件情報)・住宅ローンの実例を紹介する記事が定期的に掲載され、ここ1年、その頻度が以前より増えている気がする。

・住宅を賃貸と購入どっちがいいの?と聞かれたら「賃貸最強!」と答えよう
・こんな理由で家を買ってはいけない! その3「結婚したから」「子どもが生まれるから」
※その1・その2・その4(最終回)もあり

 「賃貸最強!」は、ある意味、正しい。いくら家賃より出費が抑えられるからといって、既婚・未婚問わず、貯金がほとんどない状態で住宅ローンを組んで家を買うことには反対だ。ある程度、貯蓄があり、総支払額が確定している全期間固定金利(フラット35)で、20年~35年間、払い続けられる見通しが立っているならいい。多くの場合、不動産会社に勧められるまま、不確定な変動金利を選んでしまう。

 「結婚したから」「子どもが生まれるから」、圧倒的に多い「家賃がもったいないから」という安易な理由で家を購入するのも反対だ。日本は、引越しに伴う事務手続きが多く、気軽に引っ越せない。持ち家の場合、そもそも、希望する価格で売却できない場合が考えられる。その街に定住するつもりがないなら、買うべきではない。いくら好立地でも、永久に「売れる」「貸せる」保証はない。
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所得の再配分・少子化(労働人口減少)歯止めのための案

2013年4月28日08:25 | つぶやき, 社会批評| 個別URL

※本記言について
 安倍晋三首相の「育児休業3年」発言(「3年間抱っこし放題での職場復帰支援」2013年4月19日)の前にまとめたものですが、基本的に考え方は、変わっていません。走り書きなので、後で修正・追記するかもしれません。

***

 少子化は、労働人口の減少、内需の停滞、日本の経済力低下につながり、早急に解消・緩和に向けて取り組むべき問題だと考える。分割払い(利子なしの割賦払い)や家族割、学割、高額キャッシュバックなど、携帯電話各社のキャンペーンは、ユーザーの囲い込みに成果を上げている。なじみも深く、複雑な仕組みでも、理解されやすいだろう。今の携帯電話会社の「家族割」に、公的なお墨付きを与えるといってもいい。伝統的家族観を重視する保守層にも、個人主義のリベラル層にも受け入れられる、日本ならではの仕組みになるのではないか。ふと思いついたので、忘れないうちにメモとして残しておく。

社会保障制度に「家族割」の導入を~ケータイ各社の囲い込みに倣え!

●前提
・生活保護・国民年金の統合、一人あたりの支給金額の削減
・厚生年金の積立式への移行
・歳入庁創設・マイナンバー制度導入
・企業ごとの健康保険組合、協会けんぽ、国民健康保険の段階的統合
・障害年金はしばらく継続する(保留)

●財源
・削減した生活保護費・年金
・累進課税で増える見込みの所得税
・贈与税・相続税を前取りするかたちで新設する資産課税(所得税の一部も移譲)
・消費税(一部)

●対象者
日本国籍を有する人すべて
※外国籍の場合、住民税・所得税は必須(「家族割」の適用不可)、年金は任意加入とする。ただし、「家族割」に相当する金額が控除される「国外送金控除」(不勉強のため、詳細を確認していないが、すでに同様の制度はある模様)を導入する

●基本コンセプト
納税・保障を個人単位とした上で、「家族グループ」の概念を導入し、家族の人数が多いほどトクする「家族割」によって納税の負担を軽減する
→1歳以上は住民税を支払い、所得に応じて所得税、資産(増加分)に応じて資産税を支払う。現実的には、「未成年の子ども」の住民税は親が支払うが、人数・年齢に応じて、家族グループ内の申請者は所得控除を受けられる。法律婚だけではなく、事実婚でも同様の権利を得られる(マイナスポイントとして、事実婚の場合、生前贈与枠拡大・非課税の優遇が適用されず、通常の税率となる)

●狙いと目標
住宅をはじめ、消費が増える「核家族」制度を維持しながら、大家族ほど税制面で優遇を得られるようにし、結婚・出産を推奨する。特に、同一市内・同一エリア内に住む「近居」を推奨し、親や親戚のサポートを受けられるようにする

●企業のメリット
・扶養手当・家族手当廃止理由の正当化
・社会保険関連の事務作業の軽減(各自で確定申告を行わないと控除が受けられないため、会社員の納税意識が向上する)
・健康保険・社会保険料の負担の軽減

●自治体のメリット
・自治体の裁量範囲の拡大、行政サービスの競争による地域活性化
・保育所に関する負担の軽減
※保育料は所得に比例した金額ではなく、保育所が独自に設定する

●概要
<税金>
(1)住民税-0歳以上は全員、前年分を支払う※家族の代理払い可
(2)所得税-勤労所得に応じ、本人が支払う
(3)固定資産税-評価額に応じ、名義人本人が支払う※家族の代理払い可
(4)資産税-前年に比べ、増えた資産に対し、名義人本人が支払う
※生前贈与をうながすため、一定額までは家族グループ内の贈与は除外する
(※経費削減のため、2~5年に一度のスパンでもいいかも)
(5)消費税-消費に応じて支払う
(6)その他(酒税・ギャンブル税など)

<仕組み>
・個人は、所得から基礎控除を差し引いた金額に応じ、住民税・所得税を支払う
※住民税は所得ランク(勤労所得ゼロの場合は資産ランク)に応じて一定、所得税は所得に対して正比例で支払う(課税対象金額1000万までは一律0.02%など)

・「家族割」を組むと、家族1名は、家族の人数・年齢に応じて控除額が増え、納税金額を減らせる
→乳幼児・児童・学生・成人の4区分で、乳幼児の控除額を最も高く設定する。家族は同居・別居を問わない

・年間の所得が基礎控除を下回る場合、控除分を現金で給付する。それだけでは生活できない場合は、別途申請し、住宅費補助や食費補助、就業支援などを受けられるようにする(現状の生活保護の置き換え)

・家族グループ間の贈与は一定額(通常は500万、住宅取得時に限り1000万など)まで非課税。高齢者から若年層への所得移転をうながす

・家族グループ内は同様の権利を有する(例えば、認知症の母が結んだ契約を子がクーリングオフできるなど)

・住民票記載事項証明書は、本人のみ・家族全員(同一住所のみ)・家族グループ全員の3パターンを用意し、この証明書を提出すると、さまざまな家族割の適用を受けることができる(携帯電話代、NHK受信料、新聞購読代などを想定)

・税金の支払いは、一括でも、個人払いでも可。ただし、滞納した場合は家族全員に通知が届く

家族割の適用は「任意」であり、義務ではない。世代間の所得移転、結婚・子育て支援策の位置づけ。配偶者控除の所得制限を撤廃、婚姻関係だけで控除を受けられるようにすることで、女性のフルタイム労働を促進し、国内の労働力人口を増やす

【例】
○世帯主・子どもなし
年収:400万円
控除額:基礎控除12万+家族1(配偶者)の加算控除36万+家族2(実母)の加算控除36万=84万円
<課税対象金額:316万円>
住民税(本人):12万円
所得税:6万3200円
厚生年金(積立式):24万円
固定資産税:5万
資産課税:1万(前年に比べ、増えた分の0.001%など)
※別途、各種保険控除・住宅ローン控除(以下共通)

○世帯主・子どもあり(配偶者が専業主婦のパターン)
年収:600万円
控除額:基礎控除12万+家族1(配偶者)の加算控除36万+家族2(実母)の加算控除36万+家族3(乳幼児)の加算控除60万+家族4(児童)の加算控除42万=186万円
<課税対象金額:414万円>
住民税(本人):16万円
所得税:8万2800円
厚生年金(積立式):30万円
固定資産税:10万
資産課税:1万(前年に比べ、増えた分の0.001%など)
※共稼ぎの場合は、家族3(乳幼児)の加算控除60万+家族4(児童)の加算控除42万は、配偶者が受けてもいい

○成年の独身者、世帯主ではない既婚者など
年収:300万円
控除額:基礎控除12万
<課税対象金額:288万円>
住民税:10万円
所得税:5万7600円
厚生年金(積立式):24万円
固定資産税:5万
資産課税:1万(前年に比べ、増えた分の0.001%など)

○本人(遺族年金生活者)
年収:120万円
控除額:基礎控除12万
<課税対象金額:108万円>
住民税:6万円
所得税:2万1600円
厚生年金(積立式):なし
固定資産税:5万
資産課税:なし

【関連記事】
・経済活性化策を考える
・子どもは親の所有物ではない

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映画『おおかみこどもの雨と雪』感想ー子どもの自立と親の子離れを描いた意欲作

2012年8月17日13:05 | 映画・ドラマ批評| 個別URL

 映画『おおかみこどもの雨と雪』、この作品は賛否両論が起きている。私は「賛」の立場だ。

 物語のクライマックスは、子どもが親から自立し、親もまた、「育ってゆく子どもを認めるところ」にある。主人公の花は、最初、両親を亡くし、大学にもあまりなじめない、真面目な苦学生として描かれている。しかし、まるで運命に導かれるかのように、おおかみおとこ(彼)の後ろ姿を追い、恋に落ち、子どもを宿す。学業を棒に振り、子ども(長女・雪)を産む決断を下したシーンが描かれないため、2人の無計画さにやや呆れた。さらに、おおかみおとこは、長男・雨が生まれた後、よくある悲劇のように亡くなってしまう。すべては、2人の子の母親となった花を孤立化させ、田舎に移住させるための設定だ。嫌な意味でのご都合主義に、嘘っぽさを感じる人もいたかもしれない。

 序盤とは打って変わって、中盤以降は、物語はとてもスムーズだ。展開に違和感を覚えるところは少ない。最初は自由奔放だった雪が小学校に行くようになり、「おおかみこども」から「女の子」に成長していく姿が微笑ましい。一方、弱虫だった雨は、だんだんと狼としての自分を自覚していく。花は、彼に似た雨ばかり気にかける。私は一人っ子なので実体験はないが、こうした兄弟間の扱いの違いは、よく聞く話だ。細かい描写がとてもリアルに感じた。それでも雪は、母の愛を一人占めしようとせず、いじけないところが素晴らしい。

 テーマは親子の自立。一人一人の人間としてそれぞれ生きてゆく。12歳ぐらいで狼は成人になる。対して人間は、まだ子どもだ。美しい映像表現、アニメーションならではの躍動感のある動きとあいまって、姉弟の対比が見事にはまっていた。同時に、高度な文化があるゆえに、大人になるまでのステップが多い人間の不自然さを痛感した。

 子は、親の所有物ではない。子離れできない親、子育てに漠然とした不安を感じる将来親になるであろう20代から30代には、ぜひ見てもらいたい名作だと断言したい。確かに、幼いこどもや高校生には、あまりピンとこない作品だろう。また、作品に対し「否」と評価している人は、親があまり干渉しないタイプで、親子関係の悩みとは無縁だったと思われる。

 私には、花と、2人のおおかみこどもの関係が羨ましい。登場人物の年齢や姿を自在に操れるアニメーションという表現手法をもって、実写のドラマや小説でもなかなか表現できない「親子関係」を描いた意欲作。ご都合主義が若干鼻につくものの、細田守監督と脚本家の奥寺佐渡子氏にしか描けない、オリジナリティあふれる新しい定番映画が誕生したと評価したい。

【関連記事】
・子どもは親の所有物ではない
・夢を追い求め、自問自答は続く

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