映画『コードギアス 反逆のルルーシュII 叛道』感想


この10年、日本の政治家は何をやっていたのか。少子化対策は若干の改善にとどまり、年金マクロスライドはいまだ全面的に発動していない。急増する高齢者を棄民として扱わない限り、この国は未来をつかむことができないと誰の目にも明らかなのに。

自然に滅びゆく日本に抗う……

2006年の『コードギアス 反逆のルルーシュ』テレビ版放映時、<大国と戦い、無条件降伏の結果、名前と尊厳を奪われた国>という設定はリアリティがあった。そしてゼロという強力なリーダーシップをもった象徴が登場すれば、多くの人が自立のため戦うという期待があった。放映当時はスザクに肩入れする人が多かったように思う。ルルーシュは同情以上に反感を抱かれていた。最後は日本人が大好きな自己犠牲の物語に帰結する。

2017年10月、劇場版第1部『コードギアス 反逆のルルーシュI 覇道』上映。仕事多忙につき、見そびれた。正確には感想だけ見て観た気になってしまった。その反省をもとに第2部『コードギアス 反逆のルルーシュII 叛道』は早々に観に行く。

初日2018年2月10日の翌日11日。インフルエンザによる熱が完全に下がらず、咳が辛いので最も近い劇場の早朝第1回、人生初のエグゼクティブシート。『覇道』は未視聴とはいえ、テレビ版は何度も繰り返しの見たのですべて覚えてる。……10年は長すぎた。ルルーシュの母親へのこだわりと自由への叫びは、若さゆえの誤りにしか見えない。彼は若すぎた。

今の日本は、たとえ、国の名前や象徴を奪われても立ち上がらないだろう。命を賭けて体制を変える、世界に抗って世界を創るーーそんなことは人口が急減する日本ではもはや無理だ。ましてや一人のチカラではどうしようもない。いま、ルルーシュのような独りよがりでも情熱を持ったキャラクターが登場してもそれほど反響を得ないだろう。2000年代だったから成立した。

映像はテレビ版+新規カット。音声は新規録音だ。玉城真一郎役の田中一成さんの逝去によって、玉城のキャラがまったく立たなくなってしまい、役者の力は大きいと改めて感じた。福山潤、櫻井孝宏両名はまったく変わらない。C.C.のゆかなも変わらず。第3部『皇道』は都内の劇場で観る予定。おそらく劇場版での皇帝ルルーシュは生き残るはず。戦略立てが苦手なスザク丸投げでは、世界は真に変えられないから。

個人的に嬉しかったのは、テレビ版では本編では一度もオンエアされなかった挿入歌「Sensibility」が使われたこと。そして、重要なシーンがカットされたシャーリーは確実に生存しそうな感じだ。劇中、一番カッコいい女性はコーネリア。本来ならもっともまっとうな人物はシュナイゼル。そして、ずっと忘れたが、閃光のマリアンヌはダメ母だったと思い出した。幼い時の心の傷はずっと残る。

たとえ、実際の最大の目的はバンダイグループの収益確保のためだったとしても、「ルルーシュ」の物語は復活した。ターゲットイヤー2020年を境に勝ち組となって生き残るために、もう一度、可能性を信じたい。自分自身のキャリア形成としても、人生40年としたら後3年残ってる。まだきっと試せることはあるはず。

スザク

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