2011年10月14日、日本で「iPhone 4S」が発売された。恒例の行列レポート、端末の開封レポート、新OS「iOS」の紹介やレビュー、発売記念セレモニー、購入者の声(雑誌・テレビ)など、少なくとも、私が日ごろ見ているネット界隈(ブログ、ITニュースサイト、ポータルサイト、Twitterなど)は、1日中「iPhone 4S」の話題で持ちきりだった。
過去のiPhone発売日にまつわる個人的な思い出
正直に白状すると、およそ3年前、2008年7月に「iPhone 3G」が発売された時は、あまり興味がなかった。上からの指示を受け、当時のWeb部門の記者は取材に出向き、外部ライターの寄稿によるレビュー記事を載せたが、そうした経緯から「やらされている感」が強く、全体的に積極的ではなかった(ありがちですね)。私自身、iPhoneは、日本では売れると思っていなかった。キャリアがソフトバンクモバイルという時点で、保守的な日本人は買わないと判断してしまったのだ。
私は、その3か月ほど前に運営スタッフ部門に異動になり、それらiPhone関連の記事をまとめた「特設ページ」の更新を担当していた。7月は、仕事中、ずっとそのページを更新していた記憶しかない。ただ、臨時で担当した外部ライター執筆のレビュー記事(iPhone 3Gと暮らして1週間、使い倒してわかったこと)が、掲載後すぐに、Yahoo!トピックスのトップに掲載されたときは嬉しかった。掲載にあたり、文章を短くし、体裁を整え、写真を作った。午前中に当時の責任者に打診を受け(「使ってみて1週間」というコンセプトだから今すぐアップしないと意味がないのに、編集メンバーは忙しいからできないと返答している。仕方がないので代わりにやってほしいと頼まれた)、すぐに取り掛かり、16時半過ぎにアップした。まだ品薄状況が続いていた8月は、物語が佳境に入った「コードギアス 反逆のルルーシュ R2」と、入院した父のことで頭がいっぱいだった(当時の主治医から今後の診療のことで呼び出され、頻繁に早退していた)。当時、空き時間、移動時間は、携帯電話で2chの「コードギアス」のスレ2つ(本スレ・ネタバレ)と、売りスレを見ていた。毎週、携帯電話用のオリジナル壁紙もダウンロードしていた。著作権保護のため、携帯電話にダウンロードした画像、オリジナル壁紙は別の端末に移動できない。もし、当日、真っ先にiPhoneを購入していたら、今もそれらの画像を手元で見ることができたかもしれない、と後悔している。
2009年6月の「iPhone 3GS」発売時は、余り記憶がない。”見た目が同じ”だったこともあり、単なるスペックアップのマイナーチェンジだと思っていた。その後、2010年2月から、所属はそのままに、臨時としてライターに復帰した。課せられた使命は、とにかくPVを上げること。アクセス解析の結果から、他のジャンルより、携帯電話・iPhone関連の記事のほうが平均PVが高いことがわかり、率先して記事を書くことにした。
iPhone 4は、現在、最も多く売れたスマートフォン
2010年6月、ソフトバンクモバイルの独占販売体制下では最後の端末となる「iPhone 4」が発売された。ライターに復帰して余り時間が経っておらず、iPhoneの広がりをイマイチ実感していなかった。メインはあくまで編集部のメンバーであり、私はプレスリリースと、ランキングデータを使用した記事以外、ノータッチだった。社内ではモデルチェンジの直前にiPhone 3GSを購入した人が多く、発売直後は誰もiPhone 4を持っていなかった。
「iPhone 4」は、現在、日本で最も多く売れたスマートフォンだろう。もしかしたら、従来型携帯電話の売上No.1機種すら上回っているかもしれない。「iPhone 3Gから3GS/4まで、iPhoneのこれまでの売れ行きを振り返る」には、集計したものの、反映させていないデータがいくつかある。記事でも触れたとおり、「iPhone 4」は「初動+ロングセラー型」だった。過去の2モデルに比べ、初動の販売台数は多かった。しかし、累計でみると、発売から数か月経ち、ドコモ、auからAndroid搭載スマートフォンが続々と登場し、選択肢が増えた後も、コンスタントに売れ続けたことがNo.1獲得の要因だ。その凄さは、毎月チェックしていた、月間ランキングの順位、シェアだけでは、見えてこなかった。累計販売台数を集計して初めて実感した。私は、iPhoneの人気の高さを見誤っていたかもしれない。この1年間、日本の携帯電話を取り巻く環境は大きく変わった。今も劇的に変わりつつある。
そして今年10月14日、「iPhone 4S」が発売された。ソフトバンクモバイルに加え、kDDI(au)も販売する。相変わらず所属は運営スタッフのままだが、日々の業務は編集部メンバーとほとんど変わりがない(これは縦割りの日本の会社組織としては、非常にありがたいこと。上司に大いに感謝しています)。国内4世代目にして、初めてアップルのプレス向けイベントに出席し、発売日当日、アップルストア銀座にも立ち寄った。発売にあわせ、記事も何本か執筆した。iOS 5の新機能のレポート(iPad、iPod touch)や実機のレビュー、対応アクセサリの紹介など、時間があれば、もっといろいろな記事を書きたい……が、おそらく、時間不足で、ほとんど企画倒れで終わるだろう(iOS 5の新機能の詳細は、AppBankさんの記事がわかりやすそう)。
iPad 2 Wi-Fi+3Gモデルを毎日持ち歩き、電話以外は、スマートフォンとまったく同じ使い方(メール・ネット・アプリ)をしていながら、「iPhone 4S」が欲しくなってきた。理由はひとつ、この「盛り上がり」の波に乗りたいからだ。少なくとも「Siri」が日本語に対応するまでは待つ、と決めたが、iPad購入時のように、待たずに買えるなら、その禁を破ってしまいそうだ。社内の反応も今までとは打って変わってよく、初日に早速、KDDI版のホワイトを購入した人もいる。
同時に、余りにもTV・Webメディアの持ち上げぶりが大きく、「ついていけない」とも思った。徹夜で行列に並び、リリース日当日にすぐに手持ちの端末のOSをアップデートし、レビュー記事を書くなど、時間的、体力的に無理だと思った。多くの人は、アップルやiPhone、その他のサービスを通じたコミュニティがあり、そのコミュニティの居心地のよさもあって、iPhoneに熱中するのだろう。iPadやAndroidよりiPhoneのほうがコミュニティの数・規模が大きく、それがPVの多さにつながっている。
現状、iPhoneユーザーは、おおむね3つの層に分かれていると感じる。発売日に買う熱心なファン・メディア関係者(専門媒体)、そこそこ早い段階で買うデジタル好き・メディア関係者、そして一般人。「iPhone 4」は一般人にも受け入れられたので、あれほど多く売れた。一般人も、インターネットの記事・口コミの書き込み、Twitterなどを見て、待たずに早めに購入する傾向が強まっているようにみえる。アップルとしては、台数を積み上げるため、一般人に多く売れて欲しいのだろう。そのために、日本の2つ目のキャリアとして、「au」を選んだはずだ。
「iPhone 4S」が「iPhone 4」を超えるには、今、iPhoneを持っていない一般人に売れなければならない。これが達成できるかどうかは、少し様子を見ないとわからない。「iモード」に固執し、おそらく今後もiPhoneを取り扱わないとみられているドコモのユーザー、iPadのユーザーとしては、「iPhone 4S」は余り売れず、テコ入れとしてアップル側がドコモに歩み寄る展開になるとうれしい。
ドコモからもiPhoneを!!
ちなみに、最近、ドコモが力を入れているタブレット(iPad)とスマートフォン(iPhone)は、似ているようで違う。別物だが、ネット端末としては、同じように使える。ただ最近、その体験(見ている世界)は、もしかしたら違うものかもしれないと思うようになった。この話はまた別の機会に。
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