mixi・Twitter・Facebook、3大ソーシャルメディア私論(2011年6月)

2011/6/11 19:00 | 社会批評 | 1 Comment | 個別URL

 現在、日本でソーシャルメディアというと、mixi、Twitter、Facebookの3つのサービスを指す。しかし、Twitterは人によって使い方が大きく異なり、メール代わりのコミュニケーションツールだと思っている人もいれば、RSSより効率的な情報収集ツールとして活用している人もいる。もともとの成り立ちは、140文字のツイート投稿による情報発信。いま感じたこと、思ったことを相手を気にせず、自由につぶやければいい。

mixiロゴ
Twitterロゴ
facebookロゴ

 Twitterが日本で本格的に普及し始めたのは、2010年だろう。私(@sf_mi)が本格的に使い始めた去年の5月あたりだ。さまざまなキャンペーンの実施と著名人の相次ぐ参加で、知名度が一気に上がった。さらに、2011.3.11.東日本大震災で、メッセージツール、情報収集・発信ツールとして、携帯電話をはじめとする、従来の通信方法・メディアより時に役立つことがわかり、これまで無縁だった一般人向けの新聞・雑誌・Webメディアでも取り上げられるようになってきた。

 2011年は、映画の影響もあり、もともとFacebookが本格普及する年になると言われていた。Twitterとは利用方法が異なるが、やはりFacebook、mixiも安否確認や情報発信・収集などに役だったそうだ。かくして、この3つのサービスをまとめて「ソーシャルメディア」と呼び、その有効性と問題点がIT業界人やメディア関係者を中心に盛んに語られている。

広まりつつあるFacebook、「普通の大人」に受け入れられる

 2010年5月、勤務先の当時の編集部門の責任者がTwitterを活用しようと呼び掛けたが、あまり反応がなかった。今年、改めて、Twitterと、IT業界人を中心に急激に普及し始めているFacebookを、目的や相手に応じて使い分けつつ、業務に活用しようと呼び掛けた。今回は何名かが反応し、社内にFacebookネットワークと呼ぶべきつながりが生まれつつある。メディア関係者にとって、ソーシャルメディアは今や無視できない存在。今後のビジネス展開を考えるうえで、好むと好まざるとにかかわらず、時代の変化に向き合っていかなければならない。

 とはいえ、私自身、Facebookはほとんど利用していない。とにかくインターフェイスがわかりにくく、何をすればいいのかわからないのだ。同級生や前の会社の同僚はもちろん、好きなアニメ・マンガなどのサブカル系のコミュニティさえ見つからない。ネット上で知り合った人ともコミュニケーションしやすいmixi、Twitterとは違い、Facebookは、「実際に顔を知っている人、会ったことがある人、これから会いたい人」との交流が中心。リアル世界に友だちがいない人・少ない人には、何とも居心地の悪い世界観とルールで構築されている。

 こうしたネットとリアルを密接につなげる実名主義に対する反感から、Facebookは日本では普及しないだろうと思っていたが、このところの勤務先での広がりをみると、数年のうちに一般化しそうだ。少なくとも大学生、工場勤務除くを大手・中堅企業の会社員、フリーランス、研究者あたりには必須になるだろう。

 mixiは、背景色をオレンジ色から変えられない時期が長く、中高生向けのイメージが付いてしまった。仕組み自体はFacebookとほとんど同じ。アニメ・マンガやアイドルに興味のない「普通の大人」や「著名人」は、実名のメリットが得られるFacebookを利用し、それ以外の普通の人はmixiに残るだろう。mixiは、趣味を介してバーチャルでつながりやすい。ポータルサイト・コミュニティサイトとしての利用価値もある。

Twitterの使い方は人それぞれ

 Twitterは、SNSとは根本的に別のもの。人によって使い方がまったく違う。だから面白いし、実際に使ってみてハマらないと良さがわからない。Twitterを情報収集ツールとして使う場合、大勢の人をフォローしないと、余り意味をなさない。情報発信ツールとして使いたい場合、大勢の人にフォローされないと、単なる独り言で終わってしまう。フォロワーを増やすには、仕事や作品などを通じて、自分の名を売り、有名になると同時に、Twitterアカウントの露出を増やすことが必要。しかし、余り多くの人をフォローすると、流れるタイムラインを見切れなくなるため、すでに有名な人・サイト、役に立つボット以外、フォローされにくい。最終的に、一部の多数のフォロワーを抱える人を除き、Twitterは情報収集ツール、有名人とのコミュニケーションツールという位置づけになるだろう。

 Facebookも同じように、情報が多くなると見切れないという問題を抱えているが、実際に交流のある一定の人数なら、処理しきれる範囲に収まるだろう。こうした濃密な交流のあるグループ内での情報共有・拡散によるブランド力向上・売り上げ拡大を狙って、企業は、Facebookをはじめとしたソーシャルマーケティングに力を入れようとしている。特に、最近、Facebookページを開設する企業が相次いでおり、動きが活発になってきた。

有名になろうとしない一般人はmixiの匿名性を好む

 日本限定SNSのmixiは、Facebookに押され、衰退すると予測している人がいる。しかし、私は生き残ると思う。実名より、仲間内だけわかる“ニックネーム”のほうが心地よいと思う人々がmixiに残り続けると思うからだ。比較的新しいサービスである「mixiニュース」の存在も大きい。配信先の提供を受け、日々、最新のニュースを掲載しているポータルサイトは、テレビ同様、一度習慣化すると、固定読者がつくからだ。

 一般人とは、自分の名を売って有名になろうと思わない人。mixi日記や2chの書き込みのように、あくまで匿名で発信し、発信した内容に責任を負おうとはしない。ブロガーは、完全なアフィリエイト狙いの一部を除いて、固有のペンネームまたは実名で情報を発信し、PVを稼ぎ、有名になろうと試みる。成功者はほんの一部だが、「BLOGOS」や「はてなブックマーク」のおかげで、良質な記事や人が見つけやすくなり、著名なジャーナリスト並みの知名度を持つ人が増えつつある。むしろ、匿名の取材記者、無名のライターより有名ブロガーのほうが知名度があり、影響力も大きいだろう。

 現状、2chやTwitter、マイナーブログ、動画・画像共有サイトなどの間で話題になった情報を、ニュースサイトや有力個人ニュースサイトが取り上げ、その後、ポータルサイト、テレビ、雑誌(=マスメディア)に乗り、一般に拡散していく、という流れになっている。発生からマスメディアに乗るまでの時間が短縮することはあっても、一般人が個々にソーシャルメディアを活用する状況になる可能性は低い。日本人は、情報に対して受け身の人が多すぎる。

真のソーシャルメディアは日本に根付くか

 日本人の大多数を占める一般人は、誰が書いたのか、どのスタッフが作ったのかなど、制作物の裏側に興味を持たない。気にするのは少数派だ。Facebookはそうした少数派が中心、mixiは一般人が中心。Twitterはどちらの層も使っているが、一般人は余り面白みを感じていないだろう。mixiはソーシャルメディアの一つでありながら、マスメディアにどっぷりつかった匿名の一般人が集う場所だ。自ら情報を発信し、仲間内はもちろん、より多くの人に知ってもらいたいと思う人が増えない限り、日本では真の意味でのソーシャルメディアは根付かない、と断言したい。

【未来の暮らし】仕事やボランティア、地域活動など、さまざまな活動を通じ、この世界で一人だけの自分のブランドを高め、自分自身をメディア化する。TwitterやFacebookなどのソーシャルメディア、ブログ、CGMサイトなどは、言葉や写真、作品などを通じて、自分という存在を知ってもらうための場。ソーシャルメディア社会とは、そうした個人ひとりひとりが、身内の数人レベル(mixi)ではなく、インターネットを通じ、特に関係の深い数十人(Facebook)から不特定多数(Twitter、ブログ、CGM)に影響力をもつようになる社会。

【参考】
・露出リテラシー 玉置沙由里@sayuritamaki
・キュレーションの時代(ちくま新書) 佐々木俊尚@sasakitoshinao

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