母校が舞台の1つになった映画「名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌」辛口批評


■mixiより転記

●映画「名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)」

 映画化10周年記念作品。この10年、IT技術と事故・事件に関する報道姿勢が大きく変わった。子どもを取り巻く環境も大いに変わった。「コナン」の熱心なファンも中高生から大学生・社会人に高年齢化した。その結果、テレビの視聴率が落ち、映画に対する辛口批評が増えている。否応なく時代と自分自身の知識・考え方が変わり、純粋に楽しめないのだ。第10弾「探偵たちの鎮魂歌」は、作り手側とのギャップを以前にも増して感じた。

 舞台は横浜みなとみらい地区。この地に実際にある遊園地は観覧車がウリの「コスモワールド」だが、作品中ではより大規模なものになっており、背景にマリンタワーが描かれていたことから、位置的にも山下公園の方にあるようだ。まず、この「フィクション感」が熱中を削ぐ。京都が舞台の「迷宮の十字路」も実はほとんど架空だったのだろうか? 中途半端にリアルな設定は、大人の感性にはそぐわない。

 解くべき「事件が何かわからない」という設定は斬新だった。しかし、時間制限や「死」の緊迫感が、過去の映画ほど強くなかった。ギリギリの線で助かるだろうという甘い見込みがコナン側に見受けられた。最近、原作を読んでいなかったので、「高校生探偵白馬」が何者か忘れていた。後であらすじを読んでも人物設定がぼんやりとしか思い出せない…。非レギュラーキャラの説明のない登場は、ライトなユーザーに対して余りにも不親切。10周年記念のお祭り作品とはいえ、物語の骨格をしっかりと組み立てて欲しい。

 名探偵コナンの映画は、毎回、欠かさず見てきたが、劇場とテレビで放送された時の計2回しか見ていない。このため、評価が第一印象に左右されている。個人的に1番好きなのは、第5作目・2001年の「天国へのカウントダウン」。2番目は、今は第6作目「ベイカー街の亡霊」だと思っている。劇場で最初見た際はもっともつまらなく感じたが、テレビで再度見て評価が変わった。勢いは1作目と2作目。それらに比べて10作目は風呂敷が広すぎてカタルシスがなかったのは否めない。
 
 それでも今回、初めて保存用にDVDを買おうと思っている。理由は一つ。作中に出てきた横浜海洋大学が母校の横浜国立大学だからだ。劇場で、横浜には海洋大学はない―と思わず呟いた。YOUではなくYNUならあるけれど、と思っていたら見慣れた野音(野外音楽堂)が登場した。コナンたちが昼食を食べていた学食は、たまにうどんを食べた「第1食堂」にも見えなくもない。あそこは安いが味がイマイチだった…。

 エンディングにはしっかりと横浜国立大学の文字。曲は教育学部卒の稲葉さんがボーカルのB’z。TWO-MIX好きが高じ、コナンを毎年観に行った大学時代の思い出として、物語とは別の面で感慨深い。あの大学の公開PCから「ASUKA PLANET」のサイトや「コナン通信局」を頻繁に見ていたんだ。